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2022年07月06日(水曜日)
■記事テーマ「お寺とフィーリング」 ■編集/コミュニケーションスムージー 2022年7月6日
来迎寺便りの特別編集記事。“シリーズ「お寺はあなたを待っています〜新時代。お寺時間のすすめ」“
全6回にわたってコラム形式でお届けしています。
皆さんの住んでいる地域には森林はありますか? 自然の豊かな地域に住んでいる方にとっては、森林は当たり前の光景かもしれません。 都市に住んでいる方にとっては、 公園やお寺・神社などにうっそうと生える木々を思い浮かべるかもしれません。
都会に住んでいる方々には実感がないかもしれませんが、 林野庁のデータ(2017 年)によると日本の森林面積は国土の67%にも及ぶそうです。 日本の7割近くが森林だなんて、ちょっと意外に思われた方もいらっしゃるかと思います。
森林面積のなかでも、自然のままの天然林は全体の面積の約半分、 人工林が約4割、残りは無立木地(伐採跡地や造林予定地)や竹林だそうです。
実は千葉県は、森林面積が30%と森林が全国でも少ない地域の一つですが、 同県にある「来迎寺」は幸運なことに森林に囲まれて存在しています。
杉林や竹林がお寺を守るように生息し、木々がお寺の景観をさらに美しく引き立ててくれているように感じています。
天気の良い日に山登りやハイキングなどで木々の中を歩くと、 鳥の声が聞こえてきたり、珍しい植物を見かけたり、 何よりも空気が澄んでいて気持ちがいいですよね。 風が揺れると枝と枝がこすれ合う音。 雨が降ると小さな雨粒が木々の葉っぱに当たる音が聞こえたり・・ 私たちの心を癒してくれるような気もします。
でも、その美しい大自然も日が沈むと真っ暗な闇に包まれます。 自然の美しさを感じられる場所であるとともに 人々が足を踏み入れない場所なども沢山あり、 自然の恐ろしさや人間が手を出してはいけない場所として認識されているところもまだ沢山あります。
太古の日本では、 山や森には神様が宿る場所であったり、死者の霊が集まる場所、 また修行の場所として認識されており、人々から敬われていました。 それは仏教とは関係ないのではないかと思われるかもしれませんが、 仏教の数々の総本山、そしてたくさんのお寺が山や森の中に存在しており、 木々に囲まれた大自然の中が特別で神聖な場所であったということがわかります。
仏教用語に「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉があります。 この世のものはすべて時とともに移り変わり、 生まれては消滅する運命を繰り返す。永遠に変わらないものはない。 簡単に言うとこういう意味です。
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四季のある日本では当たり前の光景ですが、 季節によって移り替わる木々の様子を眺めるだけで、
無意識のうちに感じることは多いかもしれません。
⻑い冬が終わり、木々に新芽に「また頑張ろう!」という気持ちになれたり、
色とりどりの枯葉を踏みながら歩く道に「癒されたり」、
木々の様子が「昔の思い出とふとリンクする」こともあるかもしれませんね。
夏になり、森林は生命力を発揮して一番活気づく時期。 皆さんは何を感じますか?
緑あふれる来迎寺へ、どうぞお気軽に足をお運びください。
▶︎第1回記事はこちら
▶︎第2回記事はこちら
【 ほっと一息つける場所で心に休息を 】
▶︎第4回記事はこちら
【 来迎寺と竹の歴史をなぞりながら参道を歩く。非日常空間の癒し】
▶︎第5回記事はこちら
【合掌の意味と、その心。なぜ人は手を合わせるのか?】