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来迎寺だより

2022年10月03日(月曜日)

[新時代。お寺時間のすすめ(第5回)] 合掌の意味と、その心。なぜ人は手を合わせるのか?

■記事テーマ「お寺と思考」 ■編集/コミュニケーションスムージー 2022年10月3日


来迎寺便りの特別編集記事。“シリーズ「お寺はあなたを待っています〜新時代。お寺時間のすすめ」“

全6回にわたってコラム形式でお届けしています。


顔や胸の前で手を合わせて祈る作法、合掌。これは私たち日本人にとっては日常の仕草の一つでもあります。お願いする時、ありがとうと感謝する時、食事をする前に「いただきます」という時、心の深いところで何かを祈る時、お寺に来て仏様の前で自然に手を合わせている自分に気が付いたりすることはありませんか?なぜ私たちは手を合わせるのでしょう。

今日は、この手を合わせること、合掌についてお話しようと思います。

インドから海を越えて渡って来た「合掌」

<来迎寺本堂内陣>

手を合わせて軽くお辞儀をする挨拶をする作法は、もともと仏教のルーツでもあるインドから渡って来たと言われています。手を合わせて「ナマステ」と言う挨拶は、インドの文化に親しい人や、ヨガを経験した人なら馴染みがあるかもしれません。「ナマス」という言葉は、サンスクリット語で「敬礼・服従」という意味で、 仏教の「南無」の語源と言われています。「テ」は「あなた」という意味です。相手に対して敵対する意思がなく、敬いの気持ちを示す作法なのです。

右手は仏、左手は衆生

それではなぜ合掌の作法では手を合わせるのでしょう。小さいころから無意識のうちに身についたという方も多いと思います。手を合わせると、心が休まったり、自分の心に集中できることはありませんか。インドでは右手は清浄、左手は不浄を表します。仏教では右手は仏、左手は衆生を表します。

手を合わせて仏と衆生が一体になることで成仏を願う意味になるといいます。5本の指には、小指から地、水、火、風、空の5元素が割り当てられているそうです。このような文化的、宗教的な考え方も、右手と左手を合わせることで身体や精神に調和がとれるという物理的な要素と重なり、理にかなっているような気がしませんか。

様々な種類の合掌

さて、皆さんは合掌の種類をどれくらいご存じですか?合掌はなんと全部で12種類あると言われています。これを十二合掌と言います。それぞれ、堅実心合掌(けんじつしんがっしょう)、虚心合掌(こしんがっしょう)、未敷蓮華合掌(みふれんげがっしょう)、初割蓮合掌(しょかつれんがっしょう)、顕露合掌(けんろがっしょう)、持水合掌(じすいがっしょう)、帰命合掌(きみょうがっしょう)または金剛合掌(こんごうがっしょう)、反叉合掌 (ほんしゃがっしょう)、両手の手のひらと指をぴったりと隙間なくくっつける堅実心合掌 (けんじつしんがっしょう)。手のひらを合わせて少しだけ隙間を開ける虚心合掌(こしんがっしょう)。そして、右親指を一番上にして少し指を開き、指同士を交互に合わせる帰命合掌(きみょうがっしょう)または金剛合掌(こんごうがっしょう)です。浄土宗で行うのは指をピタッと合わせる堅実心合掌(けんじつしんがっしょう)です。

お寺で行う合掌の作法

合掌には座って行う座拝と、立って行う立拝があります。座って行う場合は正座をし、立って行う場合はきちんと姿勢を正しましょう。堅実心合掌では、四本の指を45度の角度に傾けます。数珠はまず左手の親指にひっかけ、右手親指を下から通して、手を合わせた時に両手親指に引っかかるようにします。合掌する手は、両手の親指の付け根をみぞおちにつけるくらいの位置が自然です。

心の安らぎを求めて

最近は、瞑想(メディテーション)や座禅などを、リラクゼーションやセルフ・メンテナンスの方法として取り入れる人たちも増えてきました。スマートフォンの普及で日常の情報量が増え、メールやメッセージの返信する速度を求められたり、ソーシャルメディアで必要としない情報がどんどん入ってきて反応が求められ、心があまり休まらないうちに一日が終わってしまう、という人たちも多いのではないのでしょうか。 心が少し疲れてきた時、短時間の瞑想してみるのはどうでしょう。スマートフォンを一旦置いて、目を閉じて手を合わせ深呼吸してみる・・プチ瞑想の積み重ねで、 日常にポジティブな変化が起きてくるかもしれませんよ。

来迎寺では気軽に体感できる「マインドフルネス瞑想教室」を毎月開催しています。みなさま、どなたさまもお気軽にご参加ください。


「静寂のお寺で学ぶマインドフルネス瞑想教室」のご案内

2022年10月23日(日)9時から10時15分

2022年11月27日(日)9時から10時15分

2022年12月25日(日)9時から10時15分

■場所

来迎寺 本堂

■参加費
1,000円

■お申し込み方法
お電話またはメールにてご予約ください

TEL. 0478-83-9319

Mail. info@raikoji.com

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【 慌ただしい日々に静寂を。お寺で休息しませんか? 】

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ほっと一息つける場所で心に休息を

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