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2022年12月02日(金曜日)
取材記事2022 年 11 月 15 日(火曜日)。来迎寺の年間行事である「十夜法要」が行われました。 今年も小規模での開催となりましたが、秘仏「元木観世音菩薩」のご開帳と、昨年一昨年と休止していた法要後の余興が行われ、参拝される方々に楽しい時間をお過ごしいただけたのではないかと思います。
この記事では、来迎寺の仏事を通して生まれる「小さくも大きな人々の交流」をテーマに当日の様子をお伝えいたします。
<本堂入口に葵の紋が入った幕を飾る役員さん>
早朝8時30分。来迎寺の檀家代表の役員さん達が起こしになられました。午後1時30分からはじまる本番に向けて仏事装飾などの準備をすすめるためです。山門と本堂入口 に幕と提灯を飾っていただきます。
「お寺の行事運営は舞台裏で活動してくださる役員のみなさまのおかげであります」と住職は語ります。本堂内陣の仏具の設置、仏壇飾りや御供物は住職によって用意されています。
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1)役員さん3人体制で山門に幕を飾る。慣れた手作業であっというまに完成。
2)参拝者と談笑する住職。東京在住の建築家の方と一期一会の出会い。散歩中に「立派なお寺だ」と興味を持って山門をくぐってこられたそう。
3)本日の流れについて、住職と役員さんで確認をおこないます。
<ご先祖さまはじめすべての霊魂の成仏を願いお念仏を称えます>
午後1時をまわり檀家のみなさまが本堂にお集まりになられます。午後1時30分。役員代表から本日の流れについて説明がなされた後、十夜法要が始まります。住職方3名が入場になり、お念仏が称えられます。中盤、参拝者のみなさまも住職と一緒に読経し、順番にご焼香に立ちます。終盤の住職の法話を拝聴し、皆さんとお念仏をお称えして法要が終わります。
■ 十夜(じゅうや)について 浄土宗の最も大切な経典のひとつである『無量寿経(むりょうじゅきょう)』に、「煩悩のあるこの世で十日十夜(十日間)の善行を積むことは、煩悩のない仏さまの世界で千年の善行を修めることよりも勝れている」と説かれていることに由来する法要です。このことから、主に 10 月から 11 月の時期にかけて全国の浄土宗の寺院で勤められています。ご先祖様のご供養とともに、私たち自身の極楽往生を願い南無阿弥陀仏のお念仏を中心に勤めます。
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1)住職方入場を待つ参加者のみなさま。
2)ろうそくに炎が灯り、厳かな雰囲気が本堂を包みます。
3)住職方が席につく神聖な場所「内陣」。参列者席と距離が保たれています。
<ご開帳にあたり、表白*(ひょうびゃく)を行う住職>
また、この日は、6年ぶりとなる秘仏「元木観世音菩薩」のご開帳も行われました。
「元木観世音菩薩」は延喜2年に来迎寺開山前の原生林だった当地の大楠から作られた彫刻です。今から約 1,100 年前に造像されてから一度も修復したことがないとのことですが、状態は非常に綺麗なものでした。顔が小さく、鼻筋が通り、スタイルが良い。手指も繊細で色気がある、実に神々しい観音像でした。来迎寺に安置する多くの仏像の中でも、屈指の霊力を誇ると伝えられているだけの納得の存在感です。
注)*表白…法要の趣旨を読み上げること
法要が終わり、しばしの歓談の時間をはさみ「落語」をお楽しみいただきました。 この日お招きしたのは香取市を中心に活動されている社会人落語家一門「有難亭」の大小さん。佐原の小野川沿いで三遊亭圓窓師匠の元、落語の稽古をされているそうです。
この日、古典落語「時そば」を披露していただきました。
クスッと笑えるお噺に、心が和んだひと時でした。
(取材日:2022年11月10日)
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<編集後記>
今年の来迎寺の「十夜法要」は、“秘仏の御開帳“と“余興の落語“があり、仏事・文化・歴史を 一挙に体感できるものでした。また、役員さんによる早朝からの事前準備や、地元の方がふらっと立ち寄って談笑する姿なども見られ、あらためて来迎寺が地域の人々の交流の大切な場となっていることが感じられた取材となりました。 6年ぶりに逗子が開けられた「元木観世音菩薩」は本当に素晴らしく、秘仏という言葉が当てはまりすぎるほどの美しさで、見惚れてしまいました。 次回の予定はまだ決まっていないとのことですが、次の御開帳の機会があればぜひもう一度拝観しに来たいと思います。
(取材・編集・執筆/Communication Smoothie)
■広報担当(取材・執筆者)
来迎寺の広報活動のお手伝いをしているコミュニケーションスムージーです。広報業務(情報発信)代行業、広告・宣伝物のデザイン業を行っています。
2023年2月19日(日)9時から10時15分
2023年3月19日(日)9時から10時15分
■場所 来迎寺 本堂
■参加費 1,000円
■お申し込み方法 お電話またはメールにてご予約ください
TEL. 0478-83-9319
Mail. info@raikoji.com