
2025年12月01日(月曜日)
千葉県東庄町の気鋭書家そうせつさんの書下ろし作品を毎月掲載しています。
どうぞお楽しみください。

「鯉躍龍門」
中国の故事成語で、立身出世や飛躍を意味する言葉です。
黄河の急流を登り切ると鯉も龍になるという伝説からきています。
「登龍門」という言葉でよく知られているかと思います。
鯉が龍になる。
聞こえはめでたいような気はしますが、本当にそうでしょうか。
鯉と龍、全くの別物です。
…実は私、龍を見たことがないので厳密には言い切れませんが(笑)。
立身出世、志をかなえるため、時に必要です。
ですが、急流を登っているうちにこの「志」が流され、そのまま登り切ってしまうと…、それこそ別物の龍になってしまうのかもしれません。
そんな話、あなたの身近にもありませんか?
大昔の人が書いた随筆なんかを読んでいると、いつの時代もこういったことは起きていたのだなぁ、と思い知らされます。
登り切っても鯉、だと夢がありませんかね?
いやいや、立派な鯉になれたなら、それこそ立派です!
鯉には鯉の良さが、やっぱり人も丸っきり変わろうとすると、いつか綻びが出て、ろくな結果にならないような気がします。
変わりたい、と思うのは人の常。
でも、そう簡単に変われないのも人の常。
では、どうするのが良いのでしょうね。
これを考え、もがくのもまた、人の常のようなので…
思考を巡らすにはいい季節になってきましたから、「うーん」とうなってみてはいかがでしょうか。
今回の印も篆刻家、唯一さんの力作です。
古代の文字で「鯉躍龍門」と刻してあります。
飛躍したい方には戒めとなる言葉かもしれませんね。