
2026年01月01日(木曜日)
千葉県東庄町の気鋭書家そうせつさんの書下ろし作品を毎月掲載しています。
どうぞお楽しみください。

「皆空」(かいくう)
すべてのものはみな因縁によって生じたもので、実体や我体といえるものはなく、むなしいものだということ。諸法皆空。
この「皆空」という言葉、辞書を引くとこのように載っていました。
一切皆空とか、五蘊(ごうん)皆空とか、仏教では度々目にする言葉です。
すべてが空である、とはなかなかイメージが湧きにくいかもしれませんね。
むなしいもの、というのはちょっと違う気もしますが…
ともあれ仏教では、「この世のものはすべて実体がない」という考え方があるようです。
この考え方、ひとまず受け入れてみたとします。
するとどうでしょう、今悩んでいること、わずかに軽くなりませんか?
実体のないものに悩まされることはないわけですから。
A「あなたの悩みをいまここに出してみなさい」
B「そ、そういわれても…」
なんて問答を聞いたことがあるかもしれませんが、まさに悩みの根本をつきつめていくと、多くの場合実体がないことに気が付きます。
と理屈をわかりつつ悩むのが人間ですよね。
でもこういった理屈を知っておくことは、生きていくためには効果があるのだと思います。
とある哲学者が言いました。
「私の言語の限界が、私の世界の限界を意味する。」
世界は言葉でできているといってもいいでしょう。
ということは、今回であればこの「皆空」という言葉、つまり、考え方を知っているかいないかで世界を考える幅が変わるわけです。
どうせなら広く大きく考えたいものですね。
小さな悩みを吹っ飛ばす言葉、たくさんあるはずですから。
すべては実体がない、なんてなかなかにスケールの大きな言葉じゃあないですか。
今回の作品は、文字を崩し気味に無心で筆の赴くままに書いてみました。