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来迎寺だより

2022年09月20日(火曜日)

取材記事

【来迎寺行事レポート】令和4年度の来迎寺「大施餓鬼法要」を取材しました

2022年度大施餓鬼法要|来迎寺

令和4年8 月18 日、来迎寺にて「大施餓鬼法要(だいせがきほうよう)」が行われました。


「大施餓鬼法要」とは、餓鬼に施す法要です。 仏教には6種類の苦しみの世界があると言われており(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天界)、この施餓鬼法要は「餓鬼の世界」に落ちてしまった全ての霊を供養する法要です。法要では、餓鬼の世界の霊だけでなく、檀家さんのご先祖様をはじめ、檀家さんに限らず全ての霊が供養の対象です。


詳しくは来迎寺 WEB サイト内の施餓鬼法要についてページをあわせてご覧ください。

施餓鬼法要のおおまかな説明とその様子については来迎寺 WEB サイトに掲載されていますので、本記事での説明は割愛いたしまして… 今回は「施餓鬼法要」の舞台裏を中心に、お届けします。

施餓鬼法要の裏側・事前準備編

施餓鬼法要の一番の特徴は「供養対象がご先祖さまの霊だけではなく、餓鬼の世界に落ちて 苦しんでいる霊である」こと。これが一般法要と異なる点ですが、法要の「形式」も大きな 違いをもっています。
一般法要では本堂に向かってお経を称えますが、「大施餓鬼法要」では本堂を背にして、外 に向かってお経を称える様式です。仏壇にも果物やお米などの食べ物が備えられますので、 印象としてはかなり新鮮です。

■施餓鬼法要の仏壇飾りも独特です。果物やお米など、食べ物が中心に供えられています

■仏壇の上段中心に置かれる位牌「三界萬霊」。仏教の考えである「輪廻転生する世界」を 大きく三つの世界に分け、それらすべての霊に対して供養するということが示されています

■住職が座る「施餓鬼帳」と香炉が置かれた机
■手作りできたての御膳を備えます

施餓鬼法要・本編

施餓鬼法要は約1時間の法要です。序盤に3人の僧侶によりお経が称えられ、住職が仏壇前で表白(ひょうびゃく)(※法要の趣旨を本尊や参加者に告げ知らせること)を読み上げます。そして中盤には参列者のみなさまによるご焼香が行われた後、みなさんで一緒にお念仏をお称えします。法要後は塔婆をお渡しして終了です。

■住職と僧侶入場。参列者のみなさまは手を合わせて静かにお迎えです。 まだまだ完全にコロナが収束していないため、今年の「施餓鬼法要」も規模を控えめに執り行われました

■称えられるお念仏や、所作も独特です。神秘性を感じる儀式に参加しているという感じです

■法要の中盤、本堂の出入口に組まれている仏壇に向かって住職が表白(ひょうびゃく)(※法要の趣旨を本尊や参加者に告げ知らせること)を読み上げます

■法要の中盤は参列者のみなさまによるご焼香です。初盆を迎えられた檀家さまから行っていただきます

■住職控室にて住職方のお写真を撮影させていただきました。


<取材を終えて>

施餓鬼法要。名前から少し怖いイメージを持っていたのですが、今回の取材で「施餓鬼法要」の目的を知り、様式に触れ、実際に参加体験をしてみると、その印象ががらりと変わりました。言葉は適切ではないかもしれませんが「やさしく軽やかな」印象が残っています。誰もを迎え入れてくれているような開かれた空気感。安心感。 “この感覚はどこからくるのだろうか?“……取材後にしばらく考えていたのですが、いきついたのは「元にあるものは、そこにいる人たちの内面「人の心」であるのかもしれない」との思いでした。

居心地の良い空気は、人の心が作る...

主たる供養対象は「餓鬼の世界に落ちてしまった霊」でありますが、来迎寺の住職の考えでは「餓鬼の霊だけでなく、檀家さんの先祖様、および、苦しみの世界に落ちている全ての霊を供養しましょう」という想いがあり、その想いによって雰囲気は作られているのだろうと思いました。

結びになりますが、本記事(事前準備など本番開始前の様子)をご覧いただくことで、施餓鬼法要への関心・理解を深めていただける「きっかけ」となれば幸いです。

(取材日:2022年8月18日)

(取材・編集・執筆/Communication Smoothie)


広報担当(取材・執筆者

来迎寺の広報活動のお手伝いをしているコミュニケーションスムージーです。広報業務(情報発信)代行業、広告・宣伝物のデザイン業を行っています。