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来迎寺だより

2023年12月26日(火曜日)

取材記事

【来迎寺だより】2023年度 来迎寺 十夜法要

千葉県香取市の来迎寺「令和5年度十夜法要」

<神々しいご本尊様と十夜の祈り>

2023年11月15日(水曜日)、来迎寺で恒例の年間行事「十夜法要」が開催されました。 天気はやや曇り気味でしたが、今年も多くの皆さまにご参加いただきました。

法要後の余興には、今年は「秋のピアノ弾き語りコンサート」が開催され、ピアノ演奏と歌声が本堂に響く幻想的な時間をお楽しみいただきました。

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今回の記事では、十夜法要についてより詳しく深掘りした内容をお届けします。

来迎寺 十夜法要について住職に話を伺いました

Q1)十夜法要ではどういったことを行うのですか?

浄土宗の最も大切な経典のひとつである『無量寿経(むりょうじゅきょう)』に、「煩悩のあるこの世で十日十夜(十日間)の善行を積むことは、仏さまの世界で千年の善行を修めることよりも勝れている」と説かれていることに由来する法要です。
この由来にもとづいて、主に10月から11月の時期にかけて全国の浄土宗の寺院で勤められています。
ご先祖様のご供養とともに、私たち自身の極楽往生を願い南無阿弥陀仏のお念仏を中心とした法要を勤めます。

Q2)「無量寿経」で説かれている内容について、もう少し詳しく教えていただけますか?

『無量寿経』には、浄土宗の本尊である阿弥陀如来が仏となるストーリーが説かれています。

ある仏の世界で、ある国王が仏の説法を聞き、感動し出家しました。
そして、法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)と名乗り、すべての世界にいるすべての者を救いたいという願いを建て、とてつもなく長い時間その方法を考えられました。

そして、「はるか遠く西の彼方に極楽浄土を建立し、自ら仏となり、すべての人を私の国土、極楽浄土へ救い迎えよう。」と誓われ、四十八の願いを建てられました。

そして、その願いを成し遂げるために、さらに計り知れないほど長く、とんでもなく厳しいご修行をお勤めになりました。


そしてついに四十八の願いをすべて成しとげられ、阿弥陀如来となられ、極楽浄土を建立されました。

この四十八の願いの中でも、要となる第十八番目の願いがあります。
それは、「もし私が仏となったならば、私の極楽浄土に往生したいと願い、南無阿弥陀仏とお念仏を称えた全ての者を必ず極楽浄土へ往生させよう。もし一人でも往生できない者がいたならば私は仏とはならない。」

という願いです。

これによって、私たちはお念仏をお称えすれば、必ず来世は極楽浄土へ往生することができます。
十夜法要では、この教えを実践します。

Q3) 法要の様式について。夏に行われた施餓⻤法要では、外に向かって法要が行われましたが十夜法要ならではの様式はありますか?特色など教えてください。

十夜法要は、本尊阿弥陀如来に向かって行います。法要は厳粛な雰囲気でおこなわれるイメージがあるかと思いますが、来迎寺では、厳粛さは保ちつつも皆さまに気軽に参加していただけるよう、あまり堅苦しくない雰囲気で進行しています。

Q4)法要の全体の流れはどのような流れですか?

13時から参加者のみなさまにお集まりいただき受付を行い、13時30分に法要スタートになります。僧侶が入堂し、お経を唱えます。途中で参加者のみなさんにご焼香をいただきます。そして、みなさんと一緒にお念仏を称えます。

Q5)法要の中で、僧侶方が花柄の紙を撒いていましたが、あれはどういう意味合いの所作なのでしょうか?

散華(さんか)という作法です。法要の中で、極楽浄土の蓮の華に模した紙を撒きます。
お経の中で、仏や菩薩が登場した際に、讃嘆するために神々が華を降らしたという故事が説かれていまることにちなんで行われます。道場を清めて仏を迎える意味合いもあります。
撒いた後の散華は、功徳あるものですのでご自由にお持ち帰りいただいて結構です。

「来迎寺 十夜法要2023」当日の様子

■13:00〜 十夜法要が始まる直前

<来迎寺の運営を支えてくださっている役員のみなさま>

<僧侶方と和やかに事前打ち合わせを行う住職>

■13:30〜 十夜法要本番

<僧侶3名が称えるお経を聞く時間は、一段と気が引き締まります>

<参加者のみなさまに御焼香をいただきます>

<住職あいさつ>

■十夜法要後の余興(伊藤美千世先生によるピアノ弾き語りコンサート)

千葉県や茨城県を中心に活動されている伊藤先生に、童謡歌唱、演歌、ポップス、クラシックなどを演奏していただきました。

<ピアノの演奏に癒されるひととき>

<役員さんから先生へ花束が贈られました>

(取材日:2023年11月15日)

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<編集後記>

秋の終わりから冬への移り変わりのこの時期は、少しばかり気分が沈みがちになりますが、 そんな時に行われる「十夜法要」は、参加する私たちの心を温めてくれます。

私は、最近では“心を無にして平常心を取り戻す“ことを目的に生活の中に「瞑想」をとりいれたりしているのですが、この「十夜法要」ではプラスαの効果があり、心をフラットに保ちつつ慈悲の念仏を唱えることで心が暖かくなると感じました。

法要後に行われた余興(ピアノ弾き語りコンサート)は、音楽療法士・介護福祉士の資格を持ち現在は中学校に勤務されている伊藤先生のホスピタリティに満ちたトークで、和やかな雰囲気のもと、耳馴染みのある曲が奏でられていき、参加者の皆さんも自然に口ずさむ楽しいひと時でした。

季節を感じながら、同じ意識を共有する人々とお念仏を称え、余興を楽しむことは、最近の「慈悲つむぎセミナー」で学んだ五感を使ったイメージングの実践そのものでした。

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一般的に寺院や本堂には厳粛なイメージがありますが、来迎寺には「静寂」が漂っています。 本堂では楽器の演奏をはじめ、人々の交流の場としても活用していただけます。ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

(取材・編集・執筆/Communication Smoothie)


広報担当(取材・執筆者

来迎寺の広報活動のお手伝いをしているコミュニケーションスムージーです。広報業務(情報発信)代行業、広告・宣伝物のデザイン業を行っています。


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