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来迎寺だより

2022年11月07日(月曜日)

[新時代。お寺時間のすすめ(第6回)] お寺に行くと心が落ち着く。その理由は「心の静寂」という「非日常性」にあり

来迎寺特集記事第6回

■記事テーマ「お寺と思考」 ■編集/コミュニケーションスムージー 2022年11月7日


来迎寺便りの特別編集記事。“シリーズ「お寺はあなたを待っています〜新時代。お寺時間のすすめ」“

全6回にわたってコラム形式でお届けしてきました。今回が最終回です。


来迎寺特集記事第6回

<香取市貝塚にある来迎寺は周辺を森林に囲まれた静寂な立地にあります>

古くから大切にされている建造物や遺跡などを訪れると、忙しい日常とは違い、ゆったりとした気持ちになれますが、そのようなまるで時が止まったような感覚を経験されたことはありませんか?

何百年という歳月を経てこの地に存在しているものに思いを巡らすことで、いつも生活に振り回されている自分を客観視することができます。

お寺も、私たちの祖先が受け継いできた大切な遺産です。ただそこに長く存在するだけでなく、仏様という存在や仏教の教えが中心にあり、人々の生活の一部に寄り添ってきた場所であり、また建築や美術、工芸という視点からも優れた技術が施されています。

凛とした静けさがあるお寺は、背筋がピンと伸びるような緊張感を覚えると同時に、その美しいたたずまいに目を奪われます。お寺は懐かしさを感じる場所でありながら、ざわざわした日常的な世界から少し異なる空間でもあります。

それは単なる音の静寂ではなく、「心の静寂」という「非日常」的な世界観を感じることができます。

***

ここ数年パンデミックによって、私たちは旅行も親族に会うことさえもあきらめざるを得ない期間を過ごしました。規制が少しずつ緩和され始めた今、旅をすることが再び可能になりました。沢山の人がこの時を心待ちにしていたのではないでしょうか。

【非日常性を考える】〜人はなぜ旅をするのでしょう?

旅をしたい理由を聞けば人それぞれです。自分の楽しみや趣味であったり、親しい人といつもと違う場所で時間を共有することであったり、誰かに会いに行くことや、それとも一人で新しい体験をする“自分探し”をすることであったり。もともと観光が盛んな日本では、旅行をすることは私たちの休暇の過ごし方の一つ。観光地 も力を入れて地域を盛り上げていますし、旅先では様々なアトラクションが用意され、お土産屋さんも充実して、短期間でも満足できるような構造が出来上がっています。海外からの旅行者に日本がとても人気がある理由は、地域の魅力はもちろん、旅をすることを楽しめるオプションが沢山あることが大きいかもしれません。

日本人が自由に旅をし始めたのはいつ頃?

日本の中世期と呼ばれる時代(西暦1185~1573年、鎌倉時代の初めから室町時代の終わり)は、一般人の移動が制限され、今のように気軽に旅行ができませんでした。江戸時代にはまだ制限があったものの、武士や文人が諸国を旅して紀行文を残したり、一般人も通行手形を所持していれば寺社参詣などの目的で移動できたので、旅をする人が増えていったそうです。

明治時代になると、鉄道や汽車などが発達し、観光産業が発達していきました。1964年に海外旅行が自由化されてからは、国境を越えて観光を楽しむことが容易になりました。寺社参詣は江戸時代から変わらず国内外からの観光客に人気です。

静寂なお寺で「非日常性」を過ごすことの意味

来迎寺にも、多くの人々が訪れます。法事や年中行事、参拝に来られる方以外にも、瞑想教室に参加される方や散歩に来られる方もいます。今の時代、宗教という言葉は何か誤解を招くことも多いですが、傾倒して自分を見失うのではなく、自分を見つめ直すための方法として仏教の教えを学ぶこともできます。

どんなに自分が強い人間だと思っていても心が迷うことは時としてあります。仏教では人間を苦しめる理由は「煩悩(ぼんのう)」であるという考え方がありますが、「こうしたい」という欲や大切なものに対する執着が全くない人、いわゆる煩悩が全くない人というはあまりいません。「私は煩悩だらけだわ」と思う人もいるでしょう。向上心のある人ほど、このジレンマに陥るのかもしれません。

お寺に気軽に足を運び、なんとなくすっきりして心が安らいで帰る。皆さんがこんな風にお寺を活用して下されば本望です。何百年前からそうであったように来迎寺は今もこれからも人々に寄り添って存在しています。

来迎寺では気軽に体感できる「マインドフルネス瞑想教室」を毎月開催しています。みなさま、どなたさまもお気軽にご参加ください。


「静寂のお寺で学ぶマインドフルネス瞑想教室」のご案内

2022年11月27日(日)9時から10時15分

2022年12月25日(日)9時から10時15分

■場所

来迎寺 本堂

■参加費
1,000円

■お申し込み方法
お電話またはメールにてご予約ください

TEL. 0478-83-9319

Mail. info@raikoji.com

▶︎第1回記事はこちら

【 慌ただしい日々に静寂を。お寺で休息しませんか? 】

 ▶︎第2回記事はこちら
ほっと一息つける場所で心に休息を

 ▶︎第3回記事はこちら
【森林の自然と空気感を全身に浴びる贅沢】

▶︎第4回記事はこちら
【来迎寺と竹の歴史をなぞりながら参道を歩く。非日常空間の癒し】

▶︎第5回記事はこちら
【合掌の意味と、その心。なぜ人は手を合わせるのか?】